DX戦略:農業界の変革を主導する私たちの取り組み休める農業・稼げる農業を全国へ

経営トップメッセージとビジョン

私たちは農業に従事する農業法人として、農業者の就業人口減少を見越して改善を進めてきました。

改善の方法としてはアナログ・デジタルの改善を、その中でもデジタルは非常にわかりやすい効率化として一番推進している分野です。毎日繰り返しの誰でもできる事務作業を、「農業をしたい」と志し入社したメンバーがやるべきなのか?違うと思います。もっと農業で創造的・独創的な仕事をするべきで、その時間を作るためにはデジタル化が必須です。

スキルが少なくても内製的にデジタルに関われる時代です。このモデルを農業に関わる分野に普及していきます。

代表取締役 高瀬 貴文

代表取締役 高瀬 貴文の写真

DX戦略の核と達成指標(KPI)

【戦略の核】現場主導の業務カイゼン文化

当社では創業当初から全社一丸となり業務カイゼン活動を行っています。
DXはあくまで業務カイゼンのための手段とし、自分たちで学び実践する「自前主義」を徹底しています。

  • 毎週行われる各部署のカイゼン会議に経営者も参加し、課題について徹底的に議論。
  • 年間業務削減時間(時間/年)をOKRとして定め、定期的に振り返りを実施。

主要達成指標(KPI)

分類主要指標目標値(期限)
業務カイゼン年間業務削減時間年間2,000時間削減(継続達成)
DX人材育成DXリーダー育成年間1名以上

業務カイゼン実績(2020年~)

分類件数累計業務削減時間(時間/年)
管理部104件4,454時間/年
栽培260件17,558時間/年
営業6件878時間/年
工場10件2,715時間/年
センター(受発注)383件10,170.9時間/年
全社合計763件35,776時間/年

DX戦略を効果的に進めるためのガバナンス体制

CISO(情報セキュリティ管理責任者)を中心とした推進体制

DX戦略の迅速かつ確実な実行のため、以下の役割と権限を明確化しています。

役割権限と責任
CEO(経営トップ)IT投資における「設計承認権限」およびセキュリティインシデント時の「最終意思決定権」を持つ。
CISO(情報セキュリティ管理責任者)システム構成・データ管理ルールの策定、情報セキュリティ対策の推進、社内セキュリティ教育を統括する。

DX推進体制図

※スクロールで全体をご確認いただけます

DXを実現するためのデジタル人材戦略

役割構成育成目標(スキル)
専門家(Expert)2名(育成中)部署間の調整役となり、ブラックボックスを防止、データガバナンスの策定・維持、社内セキュリティ教育の計画・実施
リーダー(Leader)5名業務カイゼンの技術担当、ノウハウの言語化、OJTによる後進育成
現場実践(Field)全員業務遂行に必要なITの知識、デジタルツールの操作、業務可視化、業務カイゼン提案および実行

DX推進担当者の声

受発注・DX推進担当の写真
受発注・DX推進担当日本最大のベビーリーフ生産を支えるデジタル職人
Q. 当社のDXの最大の強みは?
当社のDXは、一部のIT部門によるトップダウンではなく、現場が主導する「業務を良くしたい」という想いで進められています。そのため、現場の実情に即したツールが次々と生まれ、業務効率化が加速度的に進んでいます。私自身も現場出身であり、日々の業務改善を通じて得た知見を活かしながら、仲間とともにDXを推進できる点が最大の強みだと感じています。
Q. 今後のDXはどのように進化していく予定ですか?
現行のレガシーシステムを刷新し、よりセキュアでデータ連携に優れた基幹システムを導入することで、DXの基盤を強化していきます。これにより、現場のニーズに迅速に対応できる柔軟なシステム環境が整い、さらなる業務効率化と新たなサービス創出が可能となります。さらに、私たちが培った「休める農業・稼げる農業」を実現する業務改善ノウハウを、オンラインプラットフォームを通じて全国の農家様へ提供し、農業界全体のDXを牽引していきたいと考えています。

技術的優位性と環境整備、課題の把握

現場のカイゼン知見に基づく技術導入

  • ノウハウの全国展開:
    独自の「触診」ノウハウを学習させたAIチャットボットや、品目ごとの栽培方法や悩みを相談できるAIアドバイザーを開発中。オンラインプラットフォーム上にサービスを展開し、全国の農業法人に「休める・稼げる農業」を提供予定。
  • 独自ハードウェア:
    現場ニーズに最適化した搬送ロボットや折りコン組み立て機を内製開発。

技術的課題の把握と対策

課題の把握

デジタル人材の退職に伴い既存システムのメンテナンスが難しくなってしまう「技術的負債」の存在を特定しました。これを放置することは経営スピードの低下を招くと認識しています。

解決に向けた環境整備

この課題を解決するため、CISO直轄のプロジェクトとして、2028年までにセキュアでデータ連携に優れた次期基幹システムへの刷新を決定しました。過渡期においても、CISOが技術標準への準拠を監視することで、属人的なツールの乱立(シャドーIT)を防ぎ、将来の負債リスクを回避します。

サイバーセキュリティ対策の計画

DX推進に伴うリスク増大に対応するため、以下のロードマップを実行します。

  • ガバナンスの確立:
    CISO主導による情報セキュリティポリシーの策定。202X年Q4までにCSIRT体制を正式化。
  • 組織的対策:
    外部専門家を招いた全社員向け年次訓練の義務化。パート社員を含めたセキュリティ意識の向上。
  • 技術的対策:
    2028年の基幹刷新までに、全社システムへの多要素認証(MFA)導入とSOC体制の構築。

社会貢献・企業文化と客観的実績

客観的な実績

日本DX大賞2024 SX部門 大賞 受賞

日本の農業人口減少という危機的状況をチャンスと捉え、高齢者と若者が協力してITを活用する取り組み、および全国への波及効果が評価されました。

日本DX大賞2024 SX部門 大賞、受賞時の様子

日本サービス大賞 優秀賞 受賞

「農家に初期リスクを負わせない」成果連動型ソリューションと現場知見のデジタル化による、革新的なサービス設計が高く評価されました。

日本サービス大賞 優秀賞、受賞時の様子

企業文化と業界貢献

創業当初から続く「業務カイゼン」は、当社の企業風土そのものです。この文化をデジタル技術で全国に展開し、アグリカルチャーソリューションを通じて、設備投資の余裕がない小規模農業法人の収益向上を支援しています。
今後はプラットフォームを通じ、取引先に対して当社のノウハウを活かしたセキュリティレベル向上支援およびトレーサビリティ確保支援を行い、サプライチェーン全体の安全性と価値を引き上げる役割を担います。

アグリカルチャーソリューション

本ページは、DX認定制度およびDXセレクション申請に基づき、当社のDX戦略を公開するものです。